歯の喪失の実態

歯の数は高齢になるにつれ徐々に少なくなっていきます。

後期高齢者(75歳以上)になると平均値は約13本になってしまいます。

また後期高齢者の3人に1人は総入れ歯を使っているのが実態です。

 

下の図は2011年に行われた歯科疾患実態調査(全国調査)で「年齢別の一人あたりの歯の数の平均値」です。

年齢が高くなるほど歯の数は少なくなっています。

永久歯の歯の数は本来28本ですから、後期高齢者(75歳以上)ではその半数以上が無くなっているのが現状です。

図1

 

次の図は義歯(ブリッジ・部分入れ歯・総入れ歯)を使っている人の割合です。

また何らかの義歯(ブリッジ・部分入れ歯・総入れ歯)を使っている人の割合は年齢と共に上昇します。

後期高齢者(75歳以上)では90%近くにも上ります。

ブリッジが55-64歳をピークに減少し、年齢と共に歯の喪失が進むにつれ部分入れ歯から総入れ歯へと移行していきます。

後期高齢者では40%近くが総入れ歯へとなっていきます。

 

図3

 

 

最初にお話ししましたが、年齢が高いほど歯の数は減っていき後期高齢者75歳~)では本来持っている歯の数(28本)の半数以上が失われています。

 

この現実をしっかり受け止めることが大切です。

自分の歯が年齢とともに無くなっていかないよう、日々のケアが重要なのはいうまでもありません。

 

 

では歯の数は以前から比べるとどのように推移しているのでしょう。

 

下の図は歯の数の平均値(一人平均現在歯数)を年齢構造別に見たものです。

1975年までは減少していますが、80年代以降は回復し増加傾向にあることがわかります。

後期高齢者(75歳以上)では75年頃には5本以下だったのが2011年には15本近くになっています。

 

図2

このように悲観するばかりではありません。

昔に比べると歯の喪失状況は改善されているのです。

これは皆さんが歯の大切さに気付き、子どもの頃から歯の予防が徐々に浸透してきたあられでしょう。

北海道健康増進計画「すこやか北海道21」では子どもさんのむし歯減少を目指し、数年前より保育園、幼稚園、小学校でのフッ素洗口も始まり全道に広がりつつあります。

高齢者では厚労省と日本歯科医師会は1989年から「8020運動」を推進しています。

80歳で20本以上の歯を残そうという運動で、これも成果を上げています。

「8020運動」についてはあらためて書きたいと思います。

 

※参考

・平成23年歯科疾患実態調査

・厚労省HP

・日歯HP