喫煙と歯周病

歯周病は歯周病を起こす細菌(歯周病菌)が歯の周りの組織に感染する感染症です。

歯肉が腫れる、出血する、最終的には歯を支える歯槽骨が溶けて歯が抜けてしまう恐ろしい病気です。

歯周病は日本人が歯を失う最大の原因なのです。

タバコを吸う習慣がある人は、有害物質であるニコチンやタール、シアン化物、一酸化炭素などの影響で動脈硬化や組織の酸素不足を引き起こします。

このため歯肉の免疫力や修復機能が低下することで、タバコを吸わない人に比べ3倍も歯周病に掛かり易くなるといわれています。

また2倍も多く歯を失ってしまうという報告もあります。

喫煙が歯周病に与える影響

白血球の機能が低下するため歯周病菌と戦う力が弱まります

ニコチンは末梢血管を収縮させるため、歯肉への酸素や栄養の供給が悪くなります。

歯肉を修復するために必要な細胞の働きが抑制されます。

歯と歯肉の間の酸素が不足し、歯周病菌が繁殖しやすい環境を作ってします。

喫煙者の歯周病

歯周病はある程度進むまで痛みを伴わないため「沈黙の殺人者サイレントキラー」と呼ばれるほど気づきにくい病気です。

痛みがある。

歯がグラグラして噛めない。

など異常に気が付いたときには、もう取り返しのつかないところまで歯周病が進行しています。

歯肉の腫れや歯ブラシ時の出血は自分で気づきやすい歯周病の症状です。

しかし喫煙をしているとニコチンの強力な血管収縮作用が影響します。

歯肉が炎症を起こしても出血が抑えられてしまうのです。

歯周病の症状である腫れや出血が解りづらくなります。

結果気づかないうちに重症化してしまうのです。

禁煙しましょう

喫煙習慣があっても禁煙によって歯周組織は本来備わっていた機能を回復することができます。

軽い歯周病の場合は歯科医院での歯周治療によって本来の健康な状態に回復することができます。

しかし重い歯周病の場合は喫煙習慣があると治りにくいのです。

タバコを吸う方は歯周病の可能性が高いので是非一度歯科検診にお越しください。

喫煙の身体に及ぼす影響は計り知れません。

歯周病の他にもガン、糖尿病、脳卒中など、たくさんの病気と結びついています。

さらに周りの人々にも受動喫煙の害を及ぼします。

タバコを吸うことで気が休まり、落ち着くことはありません。

タバコは極めて習慣性の高い麻薬と一緒です。

健康な生活を送るためにも禁煙を考えましょう。