親知らずのトラブル

親知らずの周りの歯肉が腫れた。

痛くて口が開けられない。

症状が重くなると食事も思うように摂れないことがあります。

何故このようなことが起こるのでしょう?

生え方に問題が

歯は生え揃うと28本あります。

親知らずは7番目の第2大臼歯のさらに奥の8番目に生えてくる歯です。

最近は顎の発育が小さい傾向があり、真っ直ぐ生えてこられない状態が多くみられます。

そのため上下の歯がしっかりかみ合うことができません。

顎の中で斜めや真横に埋まったままの親知らずが多く見受けられます。

むし歯や歯周病、歯肉の炎症の原因に

この様な状態で中途半端に親知らずの一部が歯肉から頭を出していることがあります。

もともと奥で歯みがきがしづらい場所ですが、そこに親知らずが重なって生えているため、さらに磨きづらくなります。

このため隣の歯までもむし歯や歯周病のリスクが高くなるのです。

歯肉も腫れやすくなるため、腫れて盛り上がった歯肉が上の歯にぶつかってしまい噛み合わせることができなくなることもあります。

このため食事ができなくなってしまいます。

また、症状が悪化すると口が開かなくなることがあります。

物を噛むときに使う筋肉に咬筋があります。

噛み締めるときに一番力の入る筋肉でちょうど親知らずのすぐ脇にあるので、ここに炎症が起こると影響を受けてしまうのです。

口が開きづらくなるのはこのためです。

必ず抜かなければいけないの?

真っ直ぐしっかり生えていて上下の歯が噛み合っており食事の際も機能している。

歯ブラシもしっかりできてコントロールできている。

この様な場合は抜く必要はありません。

しかし、横向きに生えていて一部だけが頭を出している。

手入れが不十分なためむし歯や歯周病になっている。

また重なっている隣の歯までむし歯や歯周病が進行している。

この様な場合は抜歯をお勧めします。

生え方によっては口腔外科へ

下あごの中には「下歯槽神経」という太い神経があります。

ここから歯や歯肉などへ神経がつながっています。

親知らずの生え方によっては一部がこの神経と重なっていることがあります。

重なっていると親知らずを抜く際に傷つけてしまうことがあります。

このため稀に頬に痺れが出ることがあるのです。

比較的短期間で治る場合となかなか痺れが取れないこともあるので、しっかり精査してもらい専門の歯科口腔外科に受診することが必要です。

総合病院の歯科口腔外科は紹介状が必要ですので、まずはかかりつけの歯科医院に相談しましょう。