歯垢(プラーク)と歯石

歯医者さんに行くと「歯垢(プラーク)が落ちていませんね。」「歯石がついていますよ。」などと言われることはありませんか?

自分では磨いているつもりでも、実際には結構磨き残しがあるものです。

 

  ●歯垢(プラーク)

歯と歯の間、歯と歯肉の境目などに白くついているものが「歯垢(プラーク)」と呼ばれるものです。

これは食べかすなどではなく、細菌の固まりなのです。

実は口の中で繁殖した細菌が、水に溶けにくいネバネバした物質を作り出し、一緒に歯に付着した汚れなのです。

ただし、この歯垢のうちはまだ歯磨きで落とすことができます。

 

●歯石

歯についた歯垢が落としきれずに残っていると、唾液中のカルシウムやリンなどと結びついて石灰化して「歯石」になります。

歯垢は歯磨きで落とすことができますが、歯石になってしまうと歯の表面に石のようにこびりつき、歯磨きで取り除くことはできません。

歯科医・歯科衛生士が専門の道具と技術を用いないと取り除く事ができません。

 

●歯垢・歯石の影響は?

歯垢と歯石は歯や歯ぐきに影響しむし歯や歯周病の原因となります。

特に歯周病は細菌が出す毒素によって歯ぐきの骨が溶けだしてしまう恐ろしい病気です。

最終的には歯がグラグラになって抜けてしまいます。

さらに歯垢や歯石の怖いところは、お口のなかだけではなく全身疾患にもつながることです。

歯垢の細菌は炎症を起こしているところから毛細血管に入り込み、血液を通って全身に流れていき、動脈硬化や心疾患の引き金にもなるのです。

心筋梗塞で亡くなった方を解剖すると、心臓付近の血管に歯周菌がびっしり張り付いているケースもあるそうです。

また、お年寄りがむせたとき肺に入って誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)の原因になったり、流産の原因にもなったりしていると言われています。

 

 ●口腔衛生指導

歯医者さんに通院していると「歯磨き指導」を受けることがあります。

「忙しい中、どうにか時間を作って通っているんだから、歯磨き指導なんかいいから早く治療して!」と思っていませんか?

しかし歯磨きの仕方や生活習慣を専門家の指導で改善しなくては、せっかく治療をしても、また再発してしまい結局短期間に何度も治療を繰り返すことになりかねません。

歯周病などになるリスクも低下しません。

歯磨き指導・生活指導・食事指導を受けたら、真摯な気持ちでご自分の習慣を見直すようにしましょう。

そして、正しいセルフケアと専門家のケアでお口の健康を守るために力を合わせてがんばりましょう。