その癖大丈夫!?

 お口にまつわる悪い癖を「口腔悪習癖」といいます。
 これはお口から喉までの部分に対して無意識に行う癖をいいます。
 無意識のうちに行っていることが多く、歯並びや顎の成長に悪影響を及ぼす恐れがあります。

●口呼吸

本来、呼吸は鼻でするもので鼻呼吸といいます。

口呼吸とは、吸う息あるいは吐く息のどちらか一方でも口でする呼吸です。

さらに常に口が開いた状態で唇が閉じない状態。

いわゆるポカーン口も含めていいます。

これらは生活習慣の変化からともいわれています。

・食事の変化

 軟らかい食事が増え、噛む行為が少なくなったため口の周りの筋肉の発達が弱くなった。

・会話の変化

 メールやSNSなどで会話をしなくても意志を伝えられるようになった。

・口遊びをしなくなった

・口笛を吹けない人が多い

・アレルギー性疾患の増加

 花粉症やアレルギー性鼻炎により鼻呼吸がしづらくなる。

口呼吸をしていると

口元の締まりが無くなるため歯並びが悪くなり口元が出っ張ってくる。

乾燥のため唇がカサカサになる。

乾燥で汚れがこびりつき歯垢が取れにくくなり、歯周炎やむし歯などになりやすい、

風邪の原因であるウィルスが侵入しやすくなり、風邪がひきやすくなる。

などが考えられます。

やめるには日頃の習慣の見直しが大切です。

こまめに注意しましょう。

原因が鼻疾患やアデノイドがある場合は、耳鼻科での治療が必要です。

●指しゃぶり

小学校1年生頃になると前歯が生え揃ってきます。

指しゃぶりの習慣は6歳頃には多くのお子さんが無くなります。

小学校入学後も指しゃぶり続けていると前歯がかみ合わない開咬になる可能性があります。また上の歯列の幅が狭くなり奥歯の咬み合わせが横にずれる交叉咬合や前歯が出てしまう出っ歯などになる可能性があります。

指しゃぶりは赤ちゃんにみられる普通の動作なので、3歳くらいまではやさしく見守りましょう。

しかし、前歯が永久歯に生え変わるころまで指しゃぶりをしている場合はやめさせるようにしましょう。

●舌で歯を押す癖(舌突出癖)

上下の前歯の間に舌を挟んだり、歯を舌で裏側から押したりする癖を舌突出癖といいます。

この癖を続けていると前歯が噛み合わない開咬や、前歯が出てしまう出っ歯や受け口などになります。

発音がうまくできなくなったり、前歯で物を噛めなくなってしまったりします。

アデノイド(咽頭扁桃の肥大)がある場合は、慢性的に鼻が詰まるため耳鼻咽喉科での治療が必要となります。

●唇を吸うあるいは噛む癖(吸唇癖・咬唇癖)

吸唇癖・咬唇癖はあまり多くはありませんが、指しゃぶりの代わりやストレスによって現れると言われています。

唇の周りが赤く腫れ痕が付くことがあります。

下の唇を噛んだり吸ったりすると上の前歯が出てしまい出っ歯になりやすくなります。

また上の唇を噛んだり吸ったりすると受け口になることがあります。

●その他

頬づえをつく癖がある。

常にうつぶせや同じ向きの横向きで寝てしまう。

食事の際に左右どちらか一方で噛む片噛みことを繰り返している。

これらは歯並びや顎の成長に悪い影響を及ぼすことがあります。

●改善方法は?

これらは歯並びや顎の成長に影響が出てしまうことがあります。

このような癖がみられる場合はこまめに注意してやめさることが大切です。

もともとの歯並びなどが原因でこの様な癖が出ていることもあるので、この場合は早めに歯科医院にご相談ください。